特集

2020年 第17回ショップスタッフディスプレイコンテスト(2020年秋~冬・新春)

2020年 総評[審査委員長 空間プロデューサー 椎野伝一氏]
今年のディスプレイコンテストはコロナ禍という未曽有の出来事の中での開催になり、果たしてどれだけの応募が有るのかと危惧しましたが、結果200点近くの応募があり、この大変な状況下で日々頑張っている皆さんがいらっしゃるのだと、強い感動を覚えました。そして自店の思いを少しでも沢山のお客様に伝えたいという気持ちがそうさせたのか、近年に無くレベルの高いコンテストになったように思います。 受賞の常連であるイワキ、メーカーズシャツ鎌倉やメルボメンズウエア、ホットマンを始め新宿高野、銀座マギー、かねまつ、山野楽器などの会員企業だけでなく、イオンモール、豊田まちづくり(株)や(株)ザイマックス、(株)西部プロパティなどの商業施設、毎年参加される杉野学園の学生さん達、この大変な中で館に元気を取り戻そうと取り組まれて初参加となった三陽SC(株)など、取りまとめに苦労されたご担当者やショップスタッフの皆さんには本当に頭が下がります。協会及び審査員を代表して心より御礼申し上げます。
◆売場は最大・最良のメディア=今こそ必要なビジュアル・プレゼンテーション
ディスプレイは第二の販売スタッフと言われて来ましたが、今こそ本当の意味でそれが見直される時です。 Withコロナの状況下でニューノーマルの基本である三密(密閉・密集・密接)を回避するためには、接客の簡素化(=距離をとることと時間短縮)が不可欠です。 それには今まで密になりがちな接客だけに頼っていた「お店が伝えたいコト」「お客さまが訊きたいコト」を提供する仕事を、ディスプレイやPOP等ビジュアル・プレゼンテーションの仕組みを活用することが一番の近道なのではないでしょうか。

2020年受賞作品

大賞 ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)千葉店
商品のディスプレイだけでなく店舗の構造自体も含めたトータルな演出は、スケール感を感じさせるとともに遠目からのアテンション効果も抜群です。このアイデアは比較的小規模の店でかつ小さな商品を訴求する場合の良い手本になるのではないでしょうか。 特に、黒に近いダークな後方の壁面に訴求商品のパッケージの色に合せた赤のリボンを巻くことで、とてもインパクトが強い極めて印象に残るプレゼンテーションになっています。 このスケール感と強烈なカラーインパクトとにより、審査員の全員が大賞にと評価が一致しました。

優秀賞 イワキ イワキメガネ渋谷店
訴求ブランドのロゴカラーである赤と黒に加えゴールドの華麗さが加わり、正月らしい豪華かつ厳かな雰囲気のディスプレイに仕上がっています。 背景の扇を思わせるペーパークラフトによって、より和のイメージが強調され、まさに新年にふさわしい演出が完成しています。 眼鏡は比較的存在感の薄い(繊細なフレームだけの)アイテムなので、アイキャッチャーとしてのオブジェが演出の成否を分けますが、これはその点が上手くできているディスプレイの好例です。

アイデア賞 大垣書店 イオンモールKYOTO店
本を積み上げて作ったクリスマスツリーが遠目からのアイキャッチャーとしての機能を発揮しています。ただ積み上げただけでなく、ブルーの装丁の本に統一し、オーナメントと側面の髪の色とをマッチさせて、全体のカラーを絞り込んだことで、一層インパクトのあるオブジェに。アイデア一杯のディスプレイです。 また赤い紙を使ったPOPをアクセントカラーとして活かすなど、きめ細かな計算も読み取れます。

アイデア賞 ホットマン 帯広藤丸店
まず全体の色調を今春のトレンドカラーであるベージュ&オフホワイトに絞り込んだことで、季節感とファッション一杯の溢れる目を引くディスプレイになっています。 可愛いブランドキャラクターの顔が良く見えるような畳み方の工夫が素晴らしい。 ディスプレイ全体のまとまりとほのぼのとした愛らしさを感じさせてくれて、この演出が訴求商品の上質さと温かさを表現していて、結果ブランドへの信頼感を向上させることに大いに役立っていることは間違いないでしょう。

MD賞 メーカーズシャツ鎌倉 品川店
演出ツール兼商品パッケージをバレンタインギフト需要にマッチさせたチョコレートの箱をイメージしたものにするなど、お店が取り組んでいるプロモーションを演出に連動させています。また箱の大きさや形態が訴求商品のネクタイのデザインを最も良く見せるもの(ネクタイ色・柄を強調するのに最適な箱形)になっていることにとても感心しました。自店の販売企画や訴求商品の特長や性格をよく学んだ上で見せ方の工夫をしていることが評価されました。

MD賞 メルボメンズウェアー 麻布テーラー神戸店
シャツのパターンオーダーを訴求するディスプレイですが、カジュアルシャツにはデニム素材でノータイのシャツを、インポートには発色のいい赤のストライプをベースにコントラストを考えてクレリック仕立てにするなど、商品の特性を良く引き出しているように感じました。効果的なディスプレイにするには、訴求する商品のことを良く知っておくことが第一です。そういう意味では、このディスプレイは自店のMDを十分理解した上で作られていることが伝わって来ます。

入賞 LDnext LUNED'EAU T-FACE豊田店
色は塊で見せると効果的だということの見本のようなディスプレイです。 形も大きさも違う沢山のアイテムを色でまとめることで、インパクトのある訴求になっています。加えてほぼ左右対称形で配置したことも全体を統一感のあるものにしています。 比較的小さな雑貨類を訴求する時、遠目からは商品一つ一つに注目してもらうのは難しいけれど、幾つかを纏めて見せることで遠目からでも目につきやすい大きさに変化させることができます。その纏める要素で最も効果的なのが色です。このメソッドを覚えておけば必ず役に立つこと間違いなしです。

入賞 銀座マギー イネスbyマギー 上大岡京急百貨店
ピンクと白の羽根が、商品の色とふわふわとした素材感にマッチしている素晴らしい演出です。背景のハードなシルバーのイメージと対照的なのも魅力的です。 とてもリアルな手作りの羽根を目にしたお客様は、きっとお店の方達の商品への強い思い入れを感じられるのではないでしょうか。

入賞 杉野学園ドレスメーカー学院 杉野学園購買部
手作りのアドベントカレンダーを主役にすることで、クリスマスを迎えるワクワク感を最大限に盛り上げることができています。未晒のクラフト紙を使ったことで素朴かつ純粋なクリスマスへの思いが伝わって来ます。そこか懐かしさも感じられ、まさに子供心を思い出させるクリスマスにピッタリな演出です。いくつか袋から飛び出ているプレゼントも思わず目を引くものになっています。

入賞 山野楽器 ヤマノミュージックサロン池袋
クリスマスの楽しさが伝わってくるストーリー性溢れるディスプレイです。 サンタクロースが夜空を飛びまわり、町中の家々にプレゼントを届けているシ―ンが目に浮かぶウインドウ演出です。特に背景をあえてシンプルな無地の濃紺にしたことで、各商品をより際立たせる効果的なプレゼンテーションになっています。